[茶道稽古] キャンドルナイト「納涼茶会」を行いました/後半:シンクロ盆略点前-蘇州夜曲に寄せて
- TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
- 2022年8月17日
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7月下旬、暑さが静まってくるであろう、夕方から社中のみんなでキャンドルナイト「納涼茶会」を行いました。前半は「五感で涼む/洗い茶巾」。
後半は「シンクロ盆略点前/蘇州夜曲に寄せて」。アーティスティックスイミングのように、2人の動作をシンクロさせて点前をします。しかも「蘇州夜曲」という曲を流しながら。先輩は、シンクロ点前と名付けていらっしゃった。

虫の声とともに、ゆったりと流れる時間。フルートの曲に合わせて2人の姿が美しく重なります。音楽に合わせた点前の動画はInstagramにアップしています。
「蘇州夜曲」は昭和初期に作られた曲ですが、ある漢詩にインスパイヤされて作られたと言われています。張継という学者が1人、悲しみのうちに舟旅をしていた時の情景を書いた「楓橋夜泊」。
昔の蘇州に浮かぶ舟から聞こえる鳥の声や鐘の音、闇夜に浮かぶ漁火のゆれる様に心を漂わせながら、美しい点前でお茶をいただく。いつもの稽古場も全く違う空間のようで、みんなで幻想的な時間を過ごすことができました。
水屋も人数がすくないながらも、緊張感を保ってタイミングよくお茶を出してくださいました。
みんなで1つの会を小さくても作っていくことで、少しずつできることが増えていきますし、それは茶会において活躍の場が増える、できることが増える、楽しくなる、というループができあがっていくことに繋がります。こうした体験をどんどんとみんなで作っていくことが楽しみです。


『蘇州夜曲』歌詞:西條八十
君がみ胸に 抱かれて聞くは
夢の船唄 鳥の唄
水の蘇州の 花散る春を
惜しむか柳が すすり泣く
花をうかべて 流れる水の
明日のゆくえは 知らねども
こよい映した ふたりの姿
消えてくれるな いつまでも
髪に飾ろか 接吻しよか
君が手折りし 桃の花
涙ぐむよな おぼろの月に
鐘が鳴ります 寒山寺
「楓橋夜泊」張継
■原文(書き下し文)
月落烏啼霜満天(月落ち 烏啼きて 霜天に満つ)
江楓漁火対愁眠(江楓 漁火 愁眠に対す)
姑蘇城外寒山寺(姑蘇城外 寒山寺)
夜半鐘聲到客船(夜半の鐘声 客船に到る)
■現代語訳
船泊した楓橋で感じた憂愁の思い。
月が沈み 夜空に鳥が鳴いて
霜の気配が天に満ちている
川岸のカエデと漁火
旅愁の浅い眠り
姑蘇の外れの寒山寺から
夜半を告げる鐘の音が
私の乗る旅の船まで聞こえてきた
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