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[美術館巡り]「歌枕 あなたの知らない心の風景」を訪れて サントリー美術館

  • 執筆者の写真: TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
    TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
  • 2022年8月28日
  • 読了時間: 2分

歌枕とは、名所旧跡のこと。名所に憧れを持っているのは今も昔も同じ。どこどこと言えばこれ、という、みんなで共通してもっているイメージ、心の風景を詩的にあらわしたのが歌枕です。

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竜田川、小倉山といえば紅葉の錦、住吉といえば鳥居に太鼓橋、武蔵野といえばススキ野原といったように、このルールを知っていると、歌枕を伝えられただけでその土地のイメージが広がるといった仕組みです。「竜田川」と言われただけで、ぱっと広がる紅葉の景色を思い出すことができます。


茶道でも、歌枕を銘によく利用しますので、茶道初心者の方におすすめの展示でした。紅葉のように見える茶碗を、直接的に紅葉、と名づけるより竜田川です、告げられる方が素敵。


ちなみに、このように言葉でルール化、つまり記号化されていますので、デザインもしやすい。下の作品のモチーフはそれぞれ、もみじの龍田川、小暗の山の小倉山、薄野原の武蔵野。

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色絵龍田川文向付 尾形乾山 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館

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重要文化財 小倉山蒔絵硯箱 サントリー美術館



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白泥染付金彩薄文蓋物 サントリー美術館

歌枕を構成するイメージがきちんとデザインされています。

サントリー美術館のキュレーションは、伝えたい!という気持ちがひしひしと伝わってくるのでいつも楽しく分かりやすい。生徒さんたちにオススメしたところ、みなさん行って下さり、歌枕についてよく理解でき良かったという感想を伝えてくれました。


2022年6月29日(水)~8月28日(日)

サントリー美術館

© TEA HOUSE SETAGAYA茶道

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