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深澤直人さんのデザインから学ぶ無意識のカタチ、デザインと茶道

  • 執筆者の写真: TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
    TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
  • 2020年4月22日
  • 読了時間: 2分

シンプルなデザインと手に入れやすい価格で、

日本だけでなく世界中の人々の生活に入りこんでいる無印良品。


そのプロダクト開発とデザインにも携わっているのが

プロダクトデザイナーの深澤直人さんです。


誰もが目にしたことのある深澤さんデザインの「壁掛式CDプレイヤー」は

無印の定番商品で、MoMAのパーマネントコレクションにも選ばれています。

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<無印良品 壁掛式CDプレイヤー 出典:無印良品>

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深澤さんの得意な「普段、人が無意識にしている行動に着目したデザイン」は、

そのほかの無印のプロダクトによく現れています。


人が無意識にとっている行動には、そうなった理由がある。

山登りをしていると、ある木の枝や石が1箇所だけツルツルになっている場合がある。

それは、通過するほとんどの登山者がそこを頼りにして掴まったから。

深澤さんはそれを「Without Thought」という言葉で説明されています。

「Without Thought」は「思わず」という意味です。

例えば、傘立てがないところで傘を立てようとする時、

床の溝に傘の先端を合わせることがあります。

だとしたら無印は傘立てを考えるのではなく、

ただ溝を一本引けばいいかもしれないというところから、

生活を考えようとします。

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<出典:每日頭條

無意識の行動には流れがあって、たいていの人は同じ行動をし、

同じ点を通過する。でも無意識だけに日常では気づいていなかったり、

だからこそそれが無くなった時にはじめて必要なものだったのだと分かるのでしょう。


茶道の場合、道具の配置や身体の動きはほとんど決められています。

水指(みずさし)は畳16目のところにセット。

点前の過程では、釜と炉縁を結んだ線上に、

中心点から均等になるように棗(抹茶を入れる器)と茶筅を置き、

蓋置きは炉縁から畳3目の場所に設定する。など。



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「型」やそれらの決まりは800年間かけて先人たちが行動してきた

無意識の点をつないでデザインされたものです。

場所、角度、高さ全てにおいて動作をするのにちょうどいい点があるのです。


無意識の点を拾ってデザインされたものが詰まっているのが茶室です。


通ったこともない道なので、最初はそれが掴まりやすいかどうかは

最初は分からないのですが、何回もその道を往復していると

「なるほど、やっぱりこの場所が置きやすいよね」

「この角度が一番物がとりやすいよね」などと段々わかってくるのです。


無意識がデザインされたポイントを、身体と知恵を使って

発見していくことの面白さも茶道の楽しさの一つです。

© TEA HOUSE SETAGAYA茶道

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