デザインする茶道について
- 2021年2月19日
- 読了時間: 3分
日本の美意識や魅力、わたしたちの生活をより深める知恵が茶道には詰まっています。ですが、なんとなく日本文化の良さは感じているけどきちんと説明できない。日本人や日本文化の魅力について、海外でアピールしきれない人が多いのが現状だと思います。そしてそれをもどかしいと感じている方も多いです。漠然となら分かる、自分が生まれ育ったところの魅力を知りたいし伝えたい。
肌では確実に良いと感じていることを、なんとかして言葉やビジュアルで表現し伝えやすくしたいと考えました。
デザインは、ものごとを細かく見つめ、人や環境との新しい関係をつくっていきます。そのデザインの視点で茶道を解体し表現できればと「デザインする茶道」をテーマとして記事を書きはじめました。研究でもあるので、結論が出ない場合もあるし、むしろ思考過程のものであります。

デザイナーの原研哉さんが「デザインの本領は潜在的なものをビジュアライズしていくこと。ものの本質をクリアにしていくこと。」とおっしゃっていましたが、茶道は潜在的なもの見つめていく助けになります。本質を見つめるには、自己や自分の意識が邪魔をします。茶道ではそれを引きはがし、よりしぜん、じねん(自然)に近い状態にするために、お稽古の中でいろいろと工夫されています。(ちなみに、人間本体は自然の一部と考えます。意識の部分を薄くしていきたい。)
ゆっくりじっくり、感覚的にその状態になっていくので、お稽古している側はある日突然はっと自分が見つめていた世界が変わることに気づくのですが。映画「日日是好日」でも、これまで聞いていた雨の音が突然変わったと主人公が気づくシーンがあります。ある日突然、が茶道の面白いところでもあります。
そこの感覚的な変化を可視化して伝えようというのがこの「デザインする茶道」なのですが、もちろん全ての根拠が説明できるわけでもなく、「そういうもんだから」と言った説明しきれない部分も一方で大切に置いておきたいという考えです。
「ものごとの芯をありのまま見つめて観察、表現する」行為はデザインと茶道はとても似ており、相互的に助けあえる点で相性がよいなと感じています。
本質を見つめたいデザイン。ビジュアル化するデザイン。
本質を見つめる茶道。ビジュアル化したい茶道。
日本でしか育ちえなかった美意識や魅力を「いや、大したことないから」などと謙遜しすぎず、理由もなく決まり文句で自分たちを「主張が苦手だから」と遠慮する時代はもう終わらせてもいいと思うのです。漠然としか認識せず、伝え方を知らないから伝えられないだけだったのです。
原研哉さんは「海外に出かけ、帰国する回数を重ねるうちに、気づかされることがあります。日本独特の「美意識」の存在です。たとえば成田空港や羽田空港に到着すると、トイレの隅々まで掃除が行き届いているし利用者のマナーもいい。街頭もオフィスも照明が切れたり明滅していたりせず、管理が徹底していて、それが夜景の美しさにつながっている。道路にしても水勾配から自転車用スロープのつくり方まで、これほど緻密に設計されている国は見たことがない。
日本の都市は、ともすれば没個性的に見えるかもしれません。しかしそこには、緻密、丁寧、繊細、簡潔とでも呼ぶべき美意識が潜んでいて、これは千数百年の歴史の中で、日本が育んできた無形の資源なのです。この資源を、未来にどう活かしていくかを考えなければなりません。」と語ります。
説明できる部分は説明し、勇気をもって伝えられるように。伝えることのできるツールを少しでも増やせるように、茶道の効能や日本の良いところをデザイン目線で可視化していくことを目指します。
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