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[ 文化室活動 ] 第1回レポート 「庭師の視線で歩く小石川後楽園」-庭に込められた世界を感じる。

3 時間前
読了時間: 3分

茶道を続けていると、その周りにはさまざまな文化があることに気づきます。工芸、建築、食、芸能、歴史、季節の営みなど。


稽古場の外へ出て、実際に観たり、聴いたり、味わったり、手を動かしたりしてみる。


そんな体験を社中のみなさんと重ねていきたい、そんな思いで「文化室」を立ち上げました。担当は有志の生徒さん。


文化質の活動をきっかけに「気づき」や「学び」を深め、社中の自主性と文化、創造力を育てていければと思っています。


その記念すべき第一回は「庭師の視線で歩く小石川後楽園」-庭に込められた世界を感じる。


江戸時代末期からつづく庭師の代六代目でもある生徒Sさんに、今回のナビゲーターをお願いしました。



雨も心配されましたが、運のよいことに晴れ間がみえ、お子さんとご一緒に参加の生徒さんも一安心。年齢、性別も様々な10名が集まりました。


東門の内庭からスタート。木造建築中心の日本において、当時石の橋は珍しかったよう。Sさんの視点からすると、この石橋はモダンに映るそう。


唐門は本来の庭園への入り口。文化の日に開かれるそうです。2020年の復元ですが、当時の華やかななりし風景がよく再現されている気もしました。



実はこの庭園は、ここから木曽路と中山道に分かれます。どちらも京都に通じるのですが、奥方や女中の方がまるで里帰りをするかのような気分になれるようにとの仕掛けだそう。


まずは木曽路から。うっそうと繁る木々、めずらしい棕櫚は誰でも足を止めて上を見上げてしまいます。この効果が絶大。棕櫚と紅葉、和と南国の共演です。じっくり見れば見るほど他にない不思議な景色で、見入ってしまいます。そうすると、「後ろから滝の音が聞こえますよね」と。足を止めることで五感を研ぎ澄ませ、滝の音に気づかせる仕組み。にくい。



先へ進んでなだらかでやわらかなカーブ、登り切るとひらけた土地に。「近江に着きました!」「その点前に大きい石があったのに気づきましたか?これは、場面が変わることへのみなさんへのアプローチなのです」とSさん。


上ばかり見て気づきませんでした。急いで戻ると、本当に素晴らしい石が。他の石よりも見事なので、そこへ自然に目線が誘われます。



近江の琵琶湖には竹島が。後楽園が作庭されてから今まで、何回か手が入ったそうで、誰がどのような意図でこうなったのか、はっきりと言うのは難しいようです。ですが、各々の感性で見えたことを話し合うのも楽しいと思います。


その後も大和の紅葉が美しい「竜田川」を抜けて、とうとう京都へ。孤高に伸びている枝垂桜、丸い石群の鴨川河川敷、どれもデフォルメされた表現ですが、確かに学生時代に何度となく通った円山公園の桜と鴨川に見え、懐かしさが込み上げてきます。



音羽の滝周辺には雄大な石が、下流になるにつれて転がり丸くなる。自然の営みを人工物で再現するには、本当に繊細で確実な自然観察が必要だということがわかりました。


敷石も、ただ適当に敷かれているのではなく、「合端」と言って、並び合う端が揃うように注意しながら並べてある。気の遠くなりそうな作業です。



Sさんが何度も「これがこうと、一概に説明できなくて、それは自然のものだし、それを見て何を感じるかは経験です」と言っていました。茶道も同じ、想像の余地があるのも楽しみの一つで、自由でいいのだと思います。


プロならではの視点を教えていただっきながら一緒に巡ることができ、本当に有意義で楽しい時間でした。惜しみなく、ご自身の知識や経験を共有するのは、なかなかできないことだと思います。Sさんに、心から感謝です。


最後は「涵徳亭」でランチと食後の抹茶。普段は稽古でしかお会いしない面々、ゆっくりと交流を深めました。



© TEA HOUSE SETAGAYA茶道

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