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[稽古]8月のお稽古 ガラスの平水指:割蓋

  • 執筆者の写真: TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
    TEA HOUSE SETAGAYA 茶道教室
  • 2019年8月31日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年5月24日

8月も終わりですが、新しく届いたガラスの平水指で薄茶のお稽古をしました。間に合った〜!、、のかなw 水指とは水を汲むための噐の事で、陶器が通常です。形も縦長がスタンダードで蓋が陶器だったり漆だったりします。


お茶のいいところは季節を愛でる事でもあります。「そんな事普段でもやってると思うのだけど」と実際思っていました。日常でも、スーパーに並ぶ食材が変わったり、桜や紅葉で季節を感じたり、寒くなったらセーターを着て、暑くなったら日傘を出して、という季節感は確かに存在しています。それとは格段に違う、季節で気づくことがお茶を始めてから増えました。いつからそうなったのか、自分でもはっきりしていなくて驚きますが。


耳を澄ませないと聞こえないような、微かな水の流れる音が涼を運んでくれるということ。蓮の葉に溜まった玉のような水滴を思い出させるお菓子で、一瞬暑さを忘れること。亭主はお客様に涼やかになってもらうために、見た目に涼しい器などなどを用意すること。


暑さ寒さは単純に皮膚だけでなく、目、耳、呼吸で感じる事なのだと知りました。その全ての現象を使って、快適に楽しく美しく過ごす技が詰まっているのが茶道だと私は思っています。なんというクリエイティブな感覚。


私の先生が仰っていたのですが、平水指は口が広くて水の揺らめきがお客様から見えていいわね、と。その言葉に感動してしまった。純粋な世界がそこに広がっている気がして。


「思いやり」とか「もてなし」とかそんな事ではなくて、その手前にある今ここにある自分たちが思いつく最高の自然や現象や物を、目の前にいる人と十分に味わうシェアする。その純粋で美しくて根本的な心に触れて感動したのだと思います。


お茶をやっていると「おもてなしの心」が身につきますよとよく言われますが、それはそれで間違っていないですが、でもそんなにストレートに結びつくものではないといつもモヤモヤしていた。おもてなしの心は単なる副産物に過ぎなくて、その手前にあるものを味わう事で出てくるものだと。


少し上手に言えた気がします。


© TEA HOUSE SETAGAYA茶道

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